先月たまたま覗いたYoutubeのよっちゃん宇宙カメラ雑楽談というチャンネルで、CanonのEF 35mm F1.4 II USMで撮影した星野写真を見る機会がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=1b3jmgbhfCU&t=860s

そこで紹介されていたのは絞り開放で撮影された天の川の写真だったんですが、その写真の四隅を見て、私は今年最大級のショックを受けました。

レンズは絞ることで各種収差が減り、きちんと映るようになるのが普通で、絞り開放から高性能なレンズというのはそうそう無いわけなんですが、紹介されていた写真の四隅には絞り開放で問題となる『コマ収差』『非点収差』『フリンジ』の3つが殆ど見られませんでした。

固定撮影で星景を撮ったことのある方ならわかると思いますが、固定撮影で簡単に画質をあげようと思うと、大口径のレンズを使うか、高感度耐性の高いボディを使うか、この二つしか選択肢が無いわけです。そんな状況ですので、撮影時にはもちろん開放にかなり近い絞り値で、上記の収差とバランスを取りながら設定を決めていくことになります。しかしながらこのEF 35mm F1.4 II USMというレンズであれば、これらの収差のことを考える必要がなくなり、絞り開放を使ってSN良くきっちりした像が得られるということになります。

もちろん手間をかけて追尾撮影やパノラマをすることで上記問題をクリアすることもできますが、いずれの方法にしてもトータルでの撮影に要する時間の短縮、あるいは後処理の工程削減が可能になります。限られた時間でより確実に、あるいはより高画質にカットを押さたいという場合には、有効なレンズになりそうです。

で、この衝撃的な事実を目の当たりにしてから1週間後、このレンズがアマゾンの箱に入って玄関先に鎮座していたので、これまで使っていたSIGMAの35mmとセットで持ち出して比較撮影をしてきました。(設定:ISO3200, F1.4, SS10秒, 固定撮影)

以下の写真は両レンズで撮影したRAWデータの左上隅を等倍表示したものです。

Canon EF 35mm F1.4 II USM

 

SIGMA 35mm F1.4 DG HSM Art

 

結論

『コマ収差』『非点収差』『フリンジ』については作例で見た程ではないもののかなり抑制されていました。EF 35mm F1.4 II USMには像面湾曲があり、画面中央と周辺部のどちらでピントを合わせるかによって収差の出方が大きく変化していたので、おそらく今回の撮影結果と作例とはピントの位置がわずかに違っていたのだと思います。ピント合わせにはいつも以上に気を使う必要がありそうです。Samyangの35mmも評判が良いので折を見てそちらも比較してみようと思います。

発売時期が3年遅いのでCanonはそのぶんきっちり差をつけてきたような印象ですね。とは言ってもSIGMAがCanonの40%ほどの価格であの性能を達成しているのは驚異的だと思いますf^_^; 今回は星を被写体として考えた場合の評価なのでわかりやすい差になりましたが、他の用途では値段に見合った差は感じられないかもしれませんね。

おまけ

今回撮影したRAWデータをダウンロードできるようにしておきました。ダウンロードの際は以下のリンクをご利用ください。
https://drive.google.com/drive/folders/0B8Vjdriq-A1BNWZVdXBKN3pHZ2M?usp=sharing